増田川ダム

 増田川ダムは群馬県が主体となって建設を進めている多目的ダムだ。目的は洪水調節と水道用水である。ダムサイトは群馬県西部にある安中市松井田町である。増田川ダムは堤高78.3m、堤頂長287mのロックフィル式ダムとして計画されている。県営ダムにロックフィル式が採用されたのは初めてである。原石山はダム湖の右岸側上流にある。集水面積は17.1kmで、そのうち6.0kmが間接集水面積である。間接集水とは、ダムが存在する川の集水域以外から、導水路を使って湖に集水することである。増田川ダムでは増田川の西側を流れる中川に堰を設け、そこから導水路でダム湖に水を導くことになっている。放流設備は非常用洪水吐1門(クレスト自由越流)、常用洪水吐1門(オリフィス自然調節)である。利水放流設備は未定である。

 ダムの目的の一つである洪水調節に関しては、計画高水流量を330m3/sから50m3/sにする役割がある。水道用水に関しては妙義町の簡易水道の水源として計画されていた。妙義町には三つの簡易水道がある。第一簡易水道、第二簡易水道、大久保簡易水道である。妙義町は平成18年に隣の富岡市と合併し、現在は富岡市妙義町になった。そして富岡市は旧妙義町の簡易水道事業を富岡市の水道事業と合併するにあたり、増田川ダム建設事業から撤退を決めた。水需要が予想より増加しなかったことや、第一簡易水道の不足分を第二簡易水道と上水道により補間できると判断したからである。ダムを建設したとしても費用対効果が低いことも理由として挙げられている。以上のことから増田川ダム計画が今後進むかどうかはわからない。

<資料1>富岡市 - 第一簡易水道事業(増田川ダム建設)の再評価結果公表 -
<資料2>増田川ダム等建設事務所

増田川ダム建設事務所の案内看板

 今回の訪問では増田川ダムの建設予定地を見つけられなかった。群馬県の資料によると増田簡易浄水場の上流で増田川と中川が合流する場所あたりがダムサイトである。しかしダムサイト付近には、工事用の建物や看板は見当たらなかった。私は倉渕村の倉渕ダム建設予定地を訪れた後に増田川ダム建設予定地に向かった。国道406号線沿いにある倉渕中央小そばの橋を渡り県道33号線に入った。県道33号線の入り口には特に案内はないので、北側からアプローチする場合は倉渕中央小を目印にすると良い。

増田川ダム建設事務所は信越線の西松井田駅前にある。写真の場所は県道33号線と県道217号線が交差する場所の近くだ。上信越自動車道の松井田妙義ICは交差点を右折すると近い。



ダム名 増田川ダム
堤高 76.3m
堤頂長 287m
形式 ロックフィル
ダム湖名 未定
貯水容量 5800千m3
所在地 安中市松井田町上増田字木馬瀬
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